もう１５年経ったので話してもいいと思うのですが、研修医の頃、大変な濡れ衣をかけられたことがあります。俗に言う”ロッカールームパーテーション事件です。
うんと簡単に説明すると、私と友人(以下くっすん)が女子更衣室を覗いたからロッカールームにパーテーションが付いたという事件です。結論から言うと私は何もしていません。椅子に座って書き物をしていただけです。くっすんはロッカーの上に置いてあった靴を取ろうとしただけです。なのに見られたと騒いだ女子がいた。。世紀の冤罪です。

  当時の研修医の控え室は、大部屋の真ん中が背の高いロッカーで仕切られ、男子更衣室と女子更衣室に分かれているような状況でした。つまり天井部分は繋がっている。向こう側は見えないけど声は普通に聞こえる。言うなれば昔の銭湯みたいな感じです。
ある日のお昼前、男子の控え室には私とくっすんの２人、女子の控え室にはYさん(以下ヨーダ)が１人いました。つまり大部屋に３人だけが居たわけです。くっすんは何やらロッカーの上に置いてあった自分の靴を取りたかったようで、椅子か何かに乗った状態で靴を取ろうとした時にどうやらロッカー越しにヨーダとチラッと目が合ったようなのです。ヨーダが着替えていたのか何をしていたのかは知りません。一瞬の出来事だったと思います。くっすんも別に何も言ってませんでしたし、ヨーダの声も聞こえませんでした。
お昼休みが終わり、午後の診療の準備をしようとすると私とくっすんの名前が予約表から全て削除されていることに気がつきました。何なんだこれは。指導医からは何の説明もない。一気にヒマになってしまった。

  よくわからないまま迎えた帰りのホームルーム、そこで事件は起きます。指導医の先生から「今日控え室で覗きがありました。浜辺くんと楠くんが女子更衣室を覗いたことを知ってる人は他にいますか？？」と耳を疑うような事をいきなり言われました。くっすんはさておき、何でオレなんだ！大人しくレポートを書いていただけじゃないか。褒められこそすれ、非難されるようなことは一切していない。なのにいきなり犯人扱いです。女子の研修医からは白い目で見られ、男子の研修医からはクスクス笑われました。次の日、教授と指導医３人に囲まれて取り調べ(?)を受けました。やってないものはやってない。見てないものは見ていない。正直に答えました。数日後、研修医控え室にパーテーションが付けられ、結局私とくっすんが悪いみたいな扱いのまま残りの研修医生活は流れ、やがて後味が悪いまま終了しました。

  この事件の真相を初めて話します。一言で言うと女子のやっかみです。どういうことか。

  くっすんは研修医の頃、ある１人の女子研修医(以下もちきょん)に恋をしていました。もちきょんの誕生日には可愛いケーキを準備し、それはそれは盛大に祝いました。帰りのホームルームでみんなを巻き込んで祝うほど派手にサプライズを敢行しました(2009/10/7)。その１か月後はヨーダの誕生日でした(11/7)。クラスメイトの誕生日を全て覚えていた私は一応くっすんに聞いてはみたのですが反応が良くなかったので結局何もしませんでした。だからヨーダはそれを根に持っていたんじゃないかというのが私の意見です。誕生日マスターの浜辺君が私のバースデーを失念するはずがない。もちきょんは派手に祝われて私には何もない、、、
これが真相だと思うのですが、如何でしょうか。実際はヨーダを嗾けた別の女子研修医(以下社長)がいたのですが、話がややこしくなるので割愛します。

  過ぎ去りし事を口にしても詮無いことはわかっているのですが、このまま歴史の闇に葬り去られるのも業腹に感じるのでちょっと書いてみました。まだ研修医控え室にパーテーションはあるのかな。それが後輩の役に立っているのならまだ救いはあるんですけどね。それともどうしてもパーテーションを付けたかった人物が他にいたのかな。だとしたら完全な人身御供だな

  時代は下り、今は当時よりさらに女性の声が通りやすい世の中になっています。明らかな犯罪行為でもない限り、女性はこう言ってるけど男性側の言い分とその時の状況を考慮したら実際はこんな感じだったんだろうねって穏便に判断出来るくらい世知辛くない世の中になるといいなぁって思うのです。

このパーテーション事件、可能な事なら再調査をお願いしたい。

「一方聞いて沙汰するな」
時代と空間を超えた普遍的な正解です。