2番

 前回書いた3番の手前に位置する小さな前歯です。正式名称は側切歯と言います。ご存知の方には釈迦に説法となりますが、1番より小ぶりで少しだけ長さが短いです。1番と2番の高さが揃っていたり高さが逆転していると不自然に見えます。元々無い人もいます。すごく小さな2番もよく見かけます(矮小歯と呼ばれます)。生えてても日本人の場合は奥の方に隠れていることが多かったりします。なので矯正で引っ張ってくる歯というイメージが強いです。歯並びの関係上、フロスの習慣が無い人はむし歯になっていることが多いですね。

  あと2番は歯根嚢胞(簡単に説明すると根っこの先に膿の袋が出来てそれが大きくなる疾患)になりやすいというデータがあります。理由は分かりません。そういう意味ではミステリアスな歯ですよね。歯根嚢胞になったら口腔外科で摘出処置をしないといけません。どんどん大きくなってしまうので。

  適切な表現かは分かりませんが、2番を例えるならお店の外に繋がれている可愛い小型犬といったイメージでしょうか。ちょっとだけ大きかったりものすごく小さかったり、時には隠れてたり。撫でようとして近づいたら少し逃げる、でもすぐ出てくる。とにかく可愛い。愛でたくなる。たまーーに怖い時もある、みたいな。ちょっと何を言ってるかわからないと思いますが。1番より1ミリだけ切縁(歯の先端)が短い所が個人的には好きです。1番の引き立て役とでも言いますか、三尺去って師の影を踏まずみたいな所に趣を感じます。前歯の中ではツァー(帝王)である3番にはサイズでも存在感でももちろん勝てません。でも2番があるから1番も3番も映えるのです。

  ただこれらは全て上顎の2番の話なんです。下顎の2番はお隣の1番と瓜二つなので私でも未だに違いがよく分かりません。昔大学にいた歯牙解剖の先生は目隠しした状態で歯を触って、これは上顎の何番、これは下顎の何番みたいに言い当てていましたが、下顎の1番と2番の時だけは答えに窮していました。それくらい似てるのです。

  私、自分で自分の歯並びは完璧に近いと思っているのですが、唯一左上の2番だけは少ーーしだけ角度が捻れているのです。小型犬に譬えられた2番の怨恨でしょうか。。
どうか歯根嚢胞にだけはなりませんように笑

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