いわゆる犬歯ですね。糸切り歯とも呼ばれます。歯並びから外れたら八重歯と呼ばれたりもします。1番寿命が長い歯です。前歯の中で唯一先端が尖っています。ひふみんをよく見てみてください、おそらく3番は残ってます。治療における3番のイメージ、まずパッと出てくるのはとにかく麻酔が効きにくい。あまりむし歯の治療はしたくないですね…抜歯はさらに大変です。抜歯に関しては残根状態の3番が最も手をつけたくない歯かもしれません。逆に3番がむし歯でも歯周病でもなかったら相当心強いです。健康な3番は生物をより強固なものに陶冶するための必要条件と言っても過言ではありません。
チャンパーワットの人喰い虎っていう昔話があって、100年ほど前にインドのチャンパーワットという村で人間しか襲わないベンガルトラがいました。困り果てた村人たちに依頼されたイギリス人のハンターがそのトラを捕まえてみたところ、右側の犬歯が2本とも折れていたそうです。だからそのトラは犬歯がなくても仕留められる弱い人間ばかり襲っていたという話(実話)です。トラに限らず動物の犬歯は狩りの時に1番使いますからね。ちなみにこのチャンパーワットの人喰い虎は、世界で1番人間を食べたトラとしてギネス記録に載っています。
ヒトの場合は犬歯を失ってもトラほど死活問題にはなりませんが、噛み合わせにおいて犬歯は非常に重要な歯になります。ギリギリっと歯軋りをしてみて下さい。通常は犬歯同士が当たる仕組みになっています。これを犬歯誘導と言います。犬歯誘導が無いと他の歯がダメになりやすいのです。若くして入れ歯になる人は犬歯の噛み合わせに問題があるケースが多かったりもします。
元々犬歯誘導があっても歯軋りや食いしばりが激しい人は犬歯がすり減ります。私もそのひとりです。犬歯ストレッチと言ってすり減った箇所に歯科用の樹脂を足して形態を回復する方法もありますが万能な方法ではありません。仕事中に歯を食いしばっている自覚がある人や、スリーピングパートナーに歯軋りを指摘されたことがある人は早めにマウスピースで歯を保護することをお勧めします。
3番はとにかく大事!見た目もカッコいいですしね。
次は何番を語ろうかな。
この記事へのコメントはありません。