今年の歯科医師国家試験を解いてみた結果

 今日は第116回の歯科医師国家試験の発表の日でした。私が受験したのが第102回だったのでずいぶん時間が経ったのだなと感じます。

 受験したのが14年も前なので、流石に記憶が飛んでいるところもありましたが、解いていくうちにだんだんと思い出してきました。この作業は心地よいですね。あー、懐かしい、、の連続と言いますか。今はいくら間違えようが不利益は無いので落ち着いて問題に取り組めますが、当の受験生は一生を左右される大切な試験なので試験期間中は生きた心地がしないでしょうね。14年前の私がそうだったのでその気持ちはよくわかります。

 昔は合格率90%以上だった歯科医師国家試験は20年ほど前から合格率がどんどん下がり、今は合格率60%前半の試験になっています。その理由はすごく単純で、歯科医師が増えすぎてしまったからです。

 なぜ歯科医師が増えすぎたのか。1960-1970年代にむし歯が国民病と言われるほど国民の中で蔓延した時代がありました(日本が急速に豊かになった時期ですね)。焦った政府は歯学部の新設を急ぎ、その流れは私立の大学にまで及んでいきます。やがてむし歯はある程度コントロールされるようになり、1990年頃に歯科治療の需要と供給の関係が逆転します。要は歯科医師が過剰になってしまったのですね。

 でも歯学部の数は減らない。ならば世に出る歯科医師の数を(国家試験を難しくすることで)絞ればいい、という発想に国はなったのでしょうね。大変酷な話です。私はたまたま現役で通りましたが、運の要素も大きく関係する試験です。もう2度と味わいたくないですね。健康に悪い。フェアな試験ではないと今でも思います。絶対に選んではいけない選択肢というものが存在して、それを2つ(年によっては3つ)以上選んでしまうと他の問題が満点でも不合格という試験です。

 歯科医師過剰問題はwikipediaにもなっているくらいメジャーな社会現象ですが、これからは歯科医師が足りない時代に突入すると言われています。65歳以上の先生たちがどんどん引退していくからです。
でも日本は人口が減ってますからね。需要と供給の関係はどうなっていくのでしょうか。これからも歯科医師国家試験の合格率がその指標になっていくのでしょう。

 浪人してた頃、予備校の物理講師に池上というおじいちゃんがいました。難関大学の数学や物理の問題を誘導に乗らずに解くような天才でした。彼がよく言っていました「試験には早く受かりなさい」と。当時はその意味がよくわからなかったのですが、試験系は年々難化傾向にあるのでそういう意味で早く受かれと言っていたのかなと思います。センター試験はそこまで難しい試験ではなかったけれど、共通テストは激ムズですからね。歯科医師国家試験の難化はちょっと理由が違うんですけどね。

 今年の歯科医師国家試験の鹿児島大学歯学部の現役生の合格率は全大学の中でトップだったようです(94%)。

 おめでとう。可愛い(?)後輩たち!!私がおじいちゃんになってもパージしないでね笑

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