これはもう本当にいろんなところで話している話なのですが、僕は19歳になるまで歯を磨いた事がなかったんです。本当にほとんどなかった。
まず家に歯ブラシがなかったんですね。そういえば親は磨いていたのかな?弟が歯を磨いてる姿も見た事がなかったような、、というレベル。
19歳の4月頃に歯の激痛で目が覚めた日があったんです。もう脈を打つような痛みというか。親にお願いして保険証とお金をもらって歯医者に行った記憶があります。カメラで撮影された歯に開いた真っ黒な穴を見せられた時はかなりショックでした。歯を磨かなかったからこうなったんだ…
そこから歯磨きに対する意識が変わると共に歯医者通いと2浪目の生活がスタートします。
もうドン底です笑
歯の治療は10回くらい通ったと思います。痛くなった1本の歯だけの治療です。今思えば歯の神経を抜く全行程が理解出来るのですが、当時はなんでこんなに回数がかかるんだと不思議でした。
結局は痛くなった歯の治療が終わった時点でもう通わなくなりましたね歯医者には。他にもむし歯はあったのでしょうけど。特に詳しい説明もなかったので。
2浪の末、鹿児島大学歯学部に合格しました。そこしか受からなかったという表現の方が正しいです。後期は岡山大学の薬学部に志願してました。歯学部に落ちていたら薬剤師になっていたのかなぁとよく考えます。むし歯で辛い思いをしたから歯医者を志したなどという美しいストーリーはそこにはありません。ただの負け組だといまでも思っています(元々は国立医学部志望でしたので)。
全く歯を磨く習慣がなかった僕が、歯の痛みを経験してからは毎日夜寝る前だけは歯を磨くようになりました。今思えばあり得ないのですが、歯ブラシだけで1日1回の1分くらいの歯磨きです。でも当時はそれで十分だと疑いませんでした。
その生活が19歳~24歳まで続きます。
歯学部は卒業するまで6年間あります。1~3年生までは基礎系の勉強なので歯のことはあまり習いません。4年生になって初めて歯磨きや歯の治療についての詳しい講義が始まります。
相互実習がその頃から始まります。要は学生同士が出席番号順にペアになってお互いの歯をチェックしたりする実習です。いきなり患者さんで練習は出来ませんからね。
その相互実習で僕にはさらに10本以上のむし歯がある事が発覚します。なかなかショックでした。毎日歯を磨いていたのに…
そこから人生で2度目の歯医者通いがスタートします。1年以上かけて通いましたね。相互実習でペアになったクラスメイトがバイトしていた歯科医院に通ったのですが、そこの先生がとてもいい先生で、むし歯が再発しにくいゴールドで全てのむし歯を治してくれました。いわゆる金歯ですね。今でもその院長先生には感謝しています。親知らずもその歯科医院で抜歯しました。
歯ブラシだけではむし歯は防げない、フロスが必要だと理解できるようになったのは26歳頃でしたね。遅い笑!歯学部で一体何を学んでいたんだと思います。。
卒業して研修医になってからは毎食後の歯磨きとフロスは習慣となっていました。
今では意識してやるというレベルを通り越して、息を吸うように無意識でやるというような感じです。
歯を磨く習慣がなかった僕が、歯磨き&フロスをルーティンにするまで7年もかかりました。あまり参考にならないかもしれませんが、ゼロだった習慣を根本から変えていく難しさを表すという意味では好事例だと思います。
歯学部に進学していなかったら今頃僕の歯はボロボロだったでしょう。想像するだけで怖い、、医学部に行けなかった数少ないメリットの1つが自分の歯を救えたことです。
この文章で何を伝えたいか。2つです。
1.毎食後の歯磨きを習慣にし、歯ブラシだけでなくフロスまで使用している患者さんは素晴らしい!意識が高くて尊敬出来ます。一体どこでその習慣を身につけたのか聞きたいくらいです。
2.親の教育が大事。僕も小さかった頃、押さえつけながらでも良かったのでせめて寝る前だけは歯を磨いて欲しかった。欲を言えばフロスまで。
おじいちゃんに抱っこされたおそらく4歳くらいの自分の写真を見ながらそんなことを考える夏の日でした。
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