歯医者さんの治療イコール痛い!
多くの人が描いているイメージだと思います。私もそのひとりです。
歯科医師になって初めて知ったことですが、歯は人の体の中で最も硬く、その中に収められている歯の神経に麻酔を効かせるという行為は至難の技です。歯の近くの痛みを感じにくい歯ぐきに麻酔をして歯を支える骨を通じて歯の中の神経に麻酔を浸潤させる、昔からある方法(浸潤麻酔)ですが、いろんなことが便利になった今の時代も基本的にまずこの方法からスタートします。
上顎の歯は骨が薄いのでこの方法で効きます(例外はもちろんあります!)。
問題は下顎の歯です。
下顎の骨は華奢な女性でも小さな子どもでも硬く、通常の麻酔だけでは奏効しません。麻酔が効かないと治療が前に進まないため麻酔が効くまで追加します。
浸潤麻酔の次は歯根膜麻酔です。歯と骨の境い目に麻酔液を入れていきます。この方法で90%以上は効きます。ただし、歯根膜麻酔は治療が終わった後、数日間にわたって痛みが継続することがあるので注意が必要です。
これでも麻酔が効かない人の場合、日を改めることが多いです。伝達麻酔という喉の近くに麻酔を打つ方法もありますが、症例を選びます。
誰にでも少量で確実に効く麻酔薬があれば、、、世界中の歯科医師が抱える悩みの1つであることは間違いないです。
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