Q.むし歯治療はあと何回くらいかかりますか。
A.この質問はかなり多く受けます。正確に解答出来ないことの方が多いです。なぜか。むし歯は大きさやその発生する箇所によって治療法が大きく異なるからです。見えやすい場所に発生した小さいむし歯であれば1本あたり1回の治療で済みます。見えにくい場所、例えば歯と歯の間に発生したむし歯は型取りが必要になります(つまり最低でも2回かかります)。その判断は実際にむし歯を削ってみないとわからないため、患者さんから不意に受けるこの質問はなかなか回答が難しいのです。あと何回です!と立て板に水のような回答をしたい気持ちは山々なのですが、実際は個々の症例によってかなり状況が異なるため、いまだに答えに窮します。
Q.矯正はどれくらいで終わりますか。
A.この質問も多く受けます。プラージュデンタルクリニックではTip-Edgeブラケットという摩擦が起きにくいブラケットを採用しているため早い方は1年〜1年半、平均しても2年前後でフィニッシュすることが多いです。抜歯を伴う症例では期間が長くなる傾向がありますが、2年半くらいで装置が除去出来るよう努力はしています。歯を並べるだけであれば割と早期の段階で並ぶのですが、最終的な噛み合わせを作るのに時間がかかることが多いです。矯正治療が終わった後は後戻りとの戦いになるため、なるべく噛み合わせを緊密に作れるまで時間をかける症例もあります。なので2年〜2年半という期間が大まかな目安でしょうか。部分矯正であれば半年以内に終わることが多いです。
Q.親知らずの抜歯は腫れますか。
A.上の親知らずは(極端に難しい症例は口腔外科に紹介しているので)腫れないことが多いです。下の親知らずは歯ぐきを切開したり骨を一部削ったりすることが多いので腫れることもあります。腫れそうなケースでは事前にお知らせするように心掛けてはいます。
Q.シーラントは大人でも出来ますか。
A.出来ますが保険は効かないです。15歳くらいまでは保険で処置ができるので早めの処置をお勧めします。
Q.妊娠中にレントゲンは撮影して大丈夫ですか。
A.プラージュデンタルクリニックでは被曝量の少ないデジタル機器を導入しているため胎児への影響はほとんど無く、撮影中も首から下を防護エプロンでカバーするためレントゲンの影響は限りなくゼロに近いと考えております。安心して歯科治療を受けられて下さい。
※私は妊婦さんに対してはレントゲン撮影をしないことの方が多いです。無事に出産が終わられてから本格的な治療を再開することを勧めています。
Q.フッ素はどれくらいの間隔で塗布したらいいですか。
A.半年に1回でも十分効果は得られます。症例によっては1シーズンに1回の間隔で塗布することもあります。
Q.乳歯の下から永久歯が見えてきたのですが、すぐに抜いた方がいいですか。
A.可能であれば永久歯のスムーズな交換を促す意味で抜歯をした方がいいことが多いですが、他の永久歯の萌出状況や将来の歯並びへの影響などを鑑み、抜歯するタイミングを調整することもしばしばあります。個々の症例によります、というのが答えでしょうか。
Q.マウスピース矯正は出来ますか。
A.数本の歯の重なりや傾き、すきっ歯などはマウスピース矯正の面目躍如たるところですが、抜歯が必要なケースや出っ歯や受け口の症例ではワイヤー矯正を選択することが多いです。マウスピース矯正には限界があることが多いです。なので症例を選びます。
Q.銀歯を白く出来ますか。
A.部位によっては可能です。ただ白い材料は割れることが多いため、銀歯のままをお勧めすることも少なからずあります。どうしても銀歯に抵抗がある時はその旨を伝えて下さい。模型等を用いて詳しく説明します。
Q.歯石が付きやすいです。磨き方が悪いのでしょうか。
A.歯石の付きやすさは患者さんの唾液の量や性質、歯の表面形状によっても左右されるため、一概に磨き方が悪いとも限りません。毎日一生懸命ブラッシングされている方でも付く方は付きますし、あまり歯を磨かれない方でも付かない方は本当に付かないです。個人差がありますね。ただ歯石が付きにくくなるブラッシング法は存在しますので気になる方はお気兼ねなくお尋ね下さい。
Q.歯周病は治りますか。
A.基本的に治りません。進行してしまった歯周病に対するアプローチは、治すというより進行を遅らせるというイメージに近いです。歯肉炎は100%治ります。
Q.入れ歯は付けたまま寝ても大丈夫ですか。
A.大丈夫です。むしろ推奨されています。ただし入れ歯もご自身の歯も綺麗にブラッシングされた状態であることが条件です。
Q.銀歯は何年持ちますか。
A.むし歯にさえならなければ5年でも10年でも持ちます。数年で作り替えるような物でもありません。ただセラミックやゴールドに比べるとむし歯が再発しやすいので、長く持たせるにはフロスや歯間ブラシを併用した管理が必要です。
Q.歯が黒くなってるのはむし歯ですか。
A.全てがむし歯とも限りません。過去にむし歯の影響を受けてたまたま黒く色が着いてしまった無害な部分は削らずに残すこともあります。黒い部分を全て削ると神経を抜かなくてはいけなくなってしまうこともあります。
Q.むし歯を全て治したのに他の歯科医院でむし歯があると言われた。なぜですか。
A.明らかなむし歯はどの歯医者さんが見てもわかりますが、例えば奥歯の溝にあるちょっとした黒い点をむし歯と判断する歯科医もいれば健康な歯と判断する歯科医もいます。銀歯の下の黒い影をむし歯とチェックする歯科医もいればセメントの透けた色と判断する歯科医もいます。むし歯の判断は実は線引きが難しく、診る歯科医によって意見が分かれることが多いのが実情です。属人的なんですよね。私は小さい頃自分自身がむし歯で苦しんだ経験があるので、むしろむし歯の有無の判断は厳しい方だと思っています。見逃しは無いつもりですがレントゲンにも写ってこないような軽微なむし歯、銀歯の下の隠れむし歯、白い材料で塗り固められた歯にあるむし歯は発見が難しいんです。一度も治療を受けていない天然の歯のむし歯を見逃すことはほとんどありません。
Q.神経が無い歯が痛くなるのはなぜですか。
A.神経を抜いている歯は歯の中に神経は無いのですが、歯の周りの非常に狭い領域(歯根膜といいます)にはまだ神経が存在しています。その歯根膜に膿が溜まったり炎症が起こるとむし歯以上の痛みを引き起こすことがあります。神経がある歯にももちろん歯根膜は存在しますが、そこに膿が溜まることはありません。以上の理由から神経が無い歯の方が実は強い痛みが出現することが多かったりもするのです。痛み止めを飲んでも効かないことが多いです。
Q.歯石取りはどれくらいのペースで来たらいいですか。
A.歯肉炎の患者さんは半年に1回、歯周病の患者さんは3か月に1回のペースをお勧めしています。
Q.歯医者さんはなぜ何回も通わないといけないんですか。
A.非常によく耳にする質問です。私も歯科医になる前は疑問でした。歯科医となった今、私なりの考察を書きます。1つは歯の本数も関係すると思います。1人あたり小児は20本、成人だと28本平均して存在します。その1本1本が全てむし歯であった場合、最低でも20回以上は通院が必要です。ある程度まとめて治療可能であればその半分の回数の通院で済むかもしれません。それでも10回はかかります。銀歯などの型取りが必要になった場合は前述の通りその倍の回数がかかります。我々歯科医は(少なくとも私は)1回の治療で1本のむし歯の治療にフルコミットします。むし歯が軽度であれば2本同時くらいはいけます。3本もたまーにしますが麻酔を使わないようなケースです。4本以上は滅多にしません。多くなればなるほど集中力も途切れてくるので仕上がりも微妙になってきます。なのでどうしても小分けにせざるを得ません。もちろん初めからむし歯がなく欠損している歯もなく歯周病でもない患者さんは毎回1回の処置で完了します。わざと治療を長引かせるようなことはしていないことだけはわかっていただけると嬉しいです。
なかなか理解が得られないのも実情なんですけどね。。
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