2023年はエクソソーム元年!?

 ”エクソソーム”という言葉を聞いたことはありますでしょうか。いかにも分子生物学的、生化学的なネーミングでありますが、アンチエイジングと言えばエクソソームと言わしめるほどここ数年で注目を浴びるようになった物質です。
うんと簡単に説明すると、どの細胞からも分泌されている小さな顆粒みたいなもので、細胞から分泌されて他の細胞に届く、細胞同士でエクソソームのやり取りをすることで組織の新陳代謝が活性化され、若返り効果をもたらす役割がある(と考えられている)体内物質です。エクソソームというのは小包のような物で、実際はその中に数百ものRNAなどさらに細かい成分が凝縮されているのですが、そのエクソソームがいまアンチエイジングだけでなく、歯周病に対しても効果を発揮するのではないかと注目されています。歯科で点滴?ちょっと大袈裟です。歯磨き粉に混ぜる?悪くはありませんが1番良いのは洗口液なんだそうです。リステリンやモンダミン感覚でエクソソームが配合されたマウスウォッシュを使用するだけで歯ぐきの粘膜の細胞内に成分が浸透し、刺激された細胞から新たなエクソソームが分泌されることでポジティブフィードバック的に連鎖反応が進み、結果として抗炎症作用が促され、血管新生が惹起され代謝が活性化することで歯周病が快癒方向に向かう、というメカニズムなんだそうです。こんな夢みたいな話が応用されようとしているなんて、、、なかなかフェーズが変わった世の中になってきましたね。世の中から歯周病が無くなったら世界中の歯周病専門医はさぞ心胆寒からしめることでしょう、というのは冗談ですが歯周病を発症すると全身に影響が出る(糖尿病や心筋梗塞、脳卒中や認知症、妊婦さんであれば早産のリスクが高まる)ことが医学的にも証明されているため、その歯周病をブラッシング以外の方法でコントロールし克服出来るとしたら人類、いや全哺乳類にとって大変な福音ではありませんか。
ただ今はあくまでも研究段階で、臨床応用はまだだいぶ先とのことです。どの細胞由来のエクソソームをどのくらい配合して、それを1日何回くらい使用すれば歯周病に対して効果を得ることが出来るのかなど検証すべき事項がたくさんあるそうです。エクソソームって良いエクソソームもあれば悪いエクソソームもありますからね。例えばがん細胞が分泌するエクソソームは完全に後者です。臍帯血から抽出されるエクソソームとかは前者で質的にも1番良いんでしょうけど、量はたくさんは取れなさそうですからね。
スキンケアクリームを使用する際は洗顔、手洗いなどで皮脂や汚れを十分に除去してから塗布する方がより深部の細胞に成分が到達しやすいのと同じように、エクソソーム配合洗口液が発売されたとしても歯石やプラーク除去が必須であることに変わりはないでしょう。なので日々のブラッシングおよびフロッシングに代表されるセルフケアが実は何よりも大切なのです、という当たり前の結論に落ち着きそうです。

今のところエクソソームは”慢性的な炎症に効く物質”という認識で良さそうです。老化も歯周病も慢性炎症ですからね。

 

 ブログを真面目に書き始めてもうすぐ1年が経過します。読み返してみると歯に関係がない訳のわからない内容が大半を占めていますが、中には歯科に関することもちゃんと書いてたりもしてるので、これからはもう少し歯科医院っぽい内容を増やしていきたいなと思う今日この頃です。100本ほどある内容を読み返してみると、歯周病に関する内容がほとんど書かれていないことに後から気がつきました。他の歯科医院のブログには必ずと言っていいほど登場する歯周病。なぜ今まで書いてこなかったのか。結論から言うと、私自身が歯周病に対してそこまで興味を持てていなかったからなのです。有り体に書くとハレーションが起きそうですが、本当なのです。私は小さい頃はむし歯で苦労してきたのでその痛さやツラさは十分理解しているつもりなのですが、歯ぐき系で悩んだことがまだほとんどないのです。ムズムズする、歯ぐきを指で押さえたくなるくらいの経験はありますがそれは小学生高学年の頃でしたし、いま思えばただの歯肉炎です。歯肉炎は歯磨きをすれば100%治ります。健康な歯ぐきに戻れば歯磨き中に出血もしなくなりますしムズムズ感も消失します。
翻って歯周病。歯周病は歯ぐきから血や膿が出る、腫れて痛い、歯がグラグラする、口臭がするなど症状は様々です。もう14年ほど歯科医師をしていますが「歯周病はなる人はなる、ならない人はならない。一度進行し始めると基本的に治らない」体感的にそう感じています。遺伝的な問題で生まれつき体質として歯周病になりやすいのか、幼子の頃に両親または親族からもらった口腔内の菌のバランスでそうなるのか、または患者さんの生活習慣に問題があるのか、それらが複合的に組み合わさっているのか。原因は様々考えられると思いますが、いずれにしろ私は体質的に歯周病になりにくいことがわかっているので自分の事としてまだ捉えられないというのが現状です。ただ歯周病の患者さんは毎日来院してきます。日々歯周病と向き合っているわけです。歯石取りを中心とした処置を行うことで大多数の患者さんの口腔内の環境は改善されていきますし、歯周病の症状も寛解方向に向かいます。しかし治癒ではない。むし歯と違って完全治癒がありえない。それが私の中での歯周病の認識です。エクソソームがこの認識を根底から覆してくれるといいなと思っています。

今回はやや長かった。。基本的にブログは寝転がってiPhoneでメモ帳に下書きをしながら書いているのですが、今回は途中2回顔面にスマホを落としました笑

ペントハウス?どこまで観たか?18話です。女性のみなさんお肌が綺麗すぎますよね。スリョンさんもソジン先生もサンアアナもソッキョンもウンビョルもペロナもミンソラちゃんもホクロどころかシミ1つありません。もしかして、全員エクソソーム利用しているのか??

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